クリシュナの結婚式 パート1(おめでとう!クリシュナ~!)
11月23日、家の2階に住むクリシュナの結婚式が行われました。
前回のブログでも書きましたが、彼は訳あって再婚の為、式は家族親戚だけで寺院で行うという、つつましやかな結婚式。彼が北インド出身なので、マラヤラム語が話せない為、旦那アヌーは通訳兼進行役、私はカメラマン、そしてもちろん彼の親友として、参加したのです。
クリシュナ一家。(中央がクリシュナ)
向かうのは”Sree Padmanabhaswamy Temple”(スリ・パドマナーブハ・スワミ寺院)。
ここは、インドで一番金・財宝を持っている寺院で最近有名になったお寺です。2011年に、このお寺の地下室から200億ドル(1兆6千億円)の金貨、金装飾品、宝石が見つかったと言うことで、現地のインド人もびっくりしたというお寺です。
新婦の家族はここから歩いて3分のところへ部屋を借りているので迎えに。
新婦家族と一緒に、お寺の近くにある専用会場で一旦待機。
この間、アヌーとクリシュナは寺の係員達が、「受け付けはここじゃない」「僧侶が来る時間はもう過ぎた」などと(故意に)無責任な発言をいいまくり、走り回っていた。。。
ただ、アヌーが知っているお寺のお偉いさんに連絡を取り、ちょっとしたお金を渡すと全てがスムーズにいったという(;一_一)
さて、このお寺に限らず、たいていのヒンズー教のお寺の中には、ヒンズー教徒しか入れません。近くでの写真撮影も禁止。
中に入る時は、男子は上半身裸で、腰巻(ルンギ着用)、女性はサリ―着用が原則です。と言うわけで、結婚の儀式の最中、私は外で待機でした。
クリシュナの家族が、係のおっちゃんに、「彼女はインド人と結婚してるんだから、半分ヒンズー教徒みたいなもんじゃない」「結婚式の儀式で、境内のなかに入るわけじゃないんだからいいじゃない」と掛け合ってくれたけど、無理。
そりゃぁ、規則だもんね。私は入れない事は、初めから分かっていたので、大丈夫よ~。
儀式の途中で私を心配したアヌーが、外に出て来て一言。
「あの僧侶、クリシュナが謝礼金を渡したら、『これじゃ足りない、もう少し』と要求しやがる!(怒)全く、どいつもこいつも!」
しばらくして、儀式を終えて皆が戻ってきた。みんな、ほっとした様子。
再度、会場へ戻り、そしてみんなで会食。
アヌーは、ちょっとした賄賂を渡した係員のお偉いさんとなにやら親密に話している。
今回の儀式が滞りなく行われたお礼をしているみたいだけど・・・
アヌーが私に手招きをしているので行ってみると、
「今回の事もあるし、今度またちょっとしたお金をくれたら、例外として彼女もこの寺院の中に入れる許可証を交付してもいいよ」
規則も何もあったものではない。全てがお金で解決すると言う・・・。
寺院に入ってみたかったから、嬉しいようななんだか複雑な気分です。
儀式が終わって、私とアヌーは別行動で、タクシーで家に向かっている間、アヌーは終始浮かない様子・・・。寺院で働く人も、僧侶までも金をせびろうから、それに憤りを感じているのは分かるけど・・・。
アヌー:「めぐ、めぐ、僕、この結婚の手続きやめた方がいいと思う!クリシュナに、思いとどまらせよう!今なら、まだ間に合う!」
・・・・・実は私も、少し同じことを思っていた。
アヌー:「だって、あの新婦、1回も笑わないじゃないかっ!!」
私:「彼女もはるばる北インドの田舎からやってきて、1回しか顔を合わせてない男性と結婚するんだから、そりゃ緊張もするよ。まぁ、様子を見よう。」
と私は、アヌーを思いとどまらせるのであった。
つづく
天井が抜けた!!(The ceiling fell down!)
日曜の夜の帰宅の途、私たちの家まで100メートルの角で、数台のオート(インドの小型タクシー)がお客さんを乗せて立ち往生していた。
いつものように、相手にせずさーっと通り抜ける義弟、何かあったのか聞かずにはおれない、夫、アヌー。
聞くと、なんと目的地は私たちの家だった!!2階に住む北インド出身のクリシュナのご家族だ。『すぐ先ですよ〜、』と案内する。
彼は、11月23日トリバントラムのお寺での結婚式を控えている。
彼の家族とお相手の家族の御一行がはるばる北インドからやってきたのだ。
彼の家族、親戚は彼の家、つまり私たちが住んでいる家の2階で1週間過ごすことになる。新婦の家族、親戚はここからすぐ近くの家で暮らす。クリシュナが一部屋借りたらしい。1週間の為に、1ヶ月分の家賃を払って・・・(・・;)。
確かに、総勢2、30人の人を新郎1人が段取りするとなると、そっちの方がてっとり早いのか。
ドッドッドッドッ・・・・・
振り返るとオートがさらに10台くらい連なって後ろからもやってくる。
そして、小さいオートから4、5人出てきたかと思うとさらに大きな荷物も現れる。家の前が一気にお祭り状態。
アヌーや弟が荷物を運ぶのを手伝っている間、私はキッチンで支度しておいた夕食を温めていたその時!
バリバリバリバリッ
家の中ですごい音が鳴った。キッチンから出ると、なんと
天井が落ちてきた( ̄◇ ̄;)
私たちの家は1軒屋を改築している為、2階へ上がる階段部分を板で塞いでいる。
それが、抜けた。
弟とアヌーが部屋に入ってきた。
「いたずらっ子が、柵を越えてこの板に乗っちゃったらしいよ〜」
「これがインド。この1週間まだまだ、なんかありそうだね」
笑ってる。(・_・;
2階からも笑い声。
子供が落ちなくてよかったとか、下に誰もいなくてよかったとか、この穴どうしようとか、この一瞬で私は色々頭に浮かんで、ショック状態だったのに。
しかも、2階からの笑い声に、額の血管が浮き上がって切れそうになったのに。(笑ってる場合か!(怒))
新婦側の家族を借りた家まで送って戻ってきたクリシュナだけ、私と同じ反応を見せた。
「((((;゚Д゚)))))))、誰も怪我はない?大丈夫?えっなんで?」
引きつってる私とクリシュナのところにアヌーがやってきて、
「全〜然、問題ない。クリシュナは結婚式だけのこと考えてればいいから」
このクリシュナとは、よく食事に行ったり、映画に行ったりとても仲良し♪
しかも、詳しくは書かないがインドでは珍しい訳あって再婚。今回は全て順調に滞りなくいって欲しい。
・・・・やっぱり、彼の名誉の為、添えることにする。
前に結婚した相手が結婚後、地元から離れたくないと言って、同居を拒み1度も彼の顔も見に来ることもしなかったと言う。ちなみに、親が選んだ相手でクリシュナに選択権はなかったのです。。。。
『そうだ、今は、彼の幸せを最優先にしなきゃ。』
というわけで、しばらく生活音は筒抜けだけど、我慢しよう。
私にもインド人の寛容さが備わってきたかな♪(良いのか悪いのかわかりませんが)
翌日月曜日、早速早朝から、生活音が聞こえまくる。さらに、なんだかお香の匂いもしてきたぞ。
生活音はともかく、おじちゃんの痰を吐く音をどうにかして欲しい。(ノД`)・゜・。
アヌーは誰かが吐いてるかと思って、目が覚めた(笑)
さて、今日から英語学校の2クール目。いざ出発しようという時に、念のため学校に電話しようと思った。念のため、念のため。
私:「今日から次のコースが始まるんですよね?時間は10時半でいいですか?」
スタッフ:「いや、そのコースはまだ決定ではなくって。」
私:「は?前回のコースの最終日に、次のコースは21日予定。何かあったら電話するって言ったじゃないですか?なんで電話してくれないの?」
スタッフ:「え〜だから、そのコースの日時が決まったら、電話しようかと」
違うだろ!(怒)
日時が決まるのを待つ前に、先に言った発言の訂正の連絡をしろ!
スタッフ:「あっ、でも9時半のコースはやってますが・・・・」
完全に間に合わないだろ!あと10分で9時半だろーが!!
アヌーが駆けつけ、抱きしめて、私の怒りを鎮めようと頑張る。(笑)
「カームダウン、カームダウン、落ち着け〜」
”インドあるある”
インド人は基本、謝らない。
ことを重大事と捉えない。
日本のサービスと比べてはいけない。
日本は、30メートル四方の道路の陥没を1週間で元通りにしたと言うけど、きっとこの天井を直すには1ヶ月以上かかるかも。
ふ〜、こんな時には、味噌汁と梅干しですな。
お昼に一人で日本食。落ち着くわ〜。
夕方、クリシュナのお姉さんが、お皿いっぱいのスイーツとスナックを持ってきてくれた♪
綺麗なサリーをわざわざ着てくれたのかな。
お腹がかなり出てるけど、『2人目ですか?』と聞くのはやめておこう。
念のため、念のため。
夕方、アヌーから電話が入る。
アヌー:「は〜、今日はすごく心穏やかに仕事ができるよ」
私:「なんで?」
アヌー:「だって、夜、家に君が一人ぼっちじゃないでしょう。しかも、何かあっても穴のおかげで、すぐに助けが呼べる♪ 君の心配をしないでいいからね。ピースフル♪」
私:「・・・・・」
これを価値観の相違と言わず、なんと言おう。
まさか、この天井の修理をしないわけじゃないだろうな・・・。
インドのスイーツ (Indian sweets)
今回は、インドのスイーツのご紹介です。
なぜ、このテーマにしたかというと、9月に日本に帰国した際、お友達から頂いた日本のお菓子達がとうとう尽きそうなのです!>_<
今後はインドのスイーツに時々頼ることになるかもしれない!
お土産として頂いたことが有難かったのと、この味にはしばらく出会えないというもったいなさから、ちびり、そしてちびりと食べてきた。
そうやって食べながら、この1ヶ月、一人豊かな時間を過ごしていた。
(少し、知り合いにおすそ分けもしましたよ)
おせんべいについた海苔がこんなに美味しいと思わなかったし、
お豆の和菓子の控えめな甘さがこんなに人をほっとさせるとも気付かなかったし、
大好物のバームクーヘンのグルテンフリーバージョンという流行に乗った日本の商品開発の凄さにこんなに感動するとも思わなかった。
あ〜日本のお菓子最高!!
ここで改めて、お菓子をくれたお友達、本当にありがとう。かつてないほどに、感謝の心で味わっています(笑)
この前置きで、インドのスイーツを紹介するということは、なんだか不穏な気配がする人がいるかもしれない・・・。
正直に言うと、嫌いではないです!はい。
・・・・・でも、でも。
では、早速いきます。
●Gulab Jamun(グラブジャム)
原料は、牛乳を煮詰めて、液体を蒸発させて残った部分と小麦粉などを混ぜて丸くした生地を揚げて、そして甘いシロップに漬けたものです。
画像と原料で想像できるかもしれませんが、めまいがするほど甘い!(o_o)
このドーナツ部分生地自体も甘いのに中までひたひたにシロップが入ってる。
なぜ、2回甘さを重ねる?!
●Jalebi(ジャレビ)
ぐるぐる巻きの揚げ菓子です。
こちらは、小麦粉がメインで作られた生地を揚げて、これまたやっぱり甘いシロップに漬けたもの。テカッテカです。口に入れるとサクッというより、ジュワとなります。
インド版かりんとうと言えば、そうだけど、この重さはなんだろう。
この上記の2つは、旦那、アヌーから厳しく規制されている為、これまで2回くらいしか口にしたことがありません。しかも、1口だけ。
そもそも、甘いものが好きではないアヌーは、これらをポイズン(毒)とかクレイジー呼ばわりしてます。(笑)
ただ、まずくはないんですよ。甘さのダブルパンチとオイリー加減がハンパないだけです。
10代だったら、全然食べれたかも。でも、間違いなくその後、相撲部屋入りしてたな。。。私。
●Halwa(ハルワ)
これは、インド版羊羹といったところでしょうか。
バターと小麦粉と砂糖を練って、そこにナッツやドライフルーツなどが混ぜ込まれて、
います。これは、中東や、アフリカなどでも一般的なお菓子で、いろいろなバージョンがあるみたいです。
これも確かに、裏切らず甘い。ただ、揚げてないだけ、食べた後の重さはないです。
これは、親戚のお家などを訪ねるとよく出されるお菓子で、私もアヌーの顔色をうかがいながら(笑)、1、2切れ美味しく頂きます。
●Bulfi(バルフィ)
原料はコンデンスミルクと砂糖。
これもナッツを混ぜたバージョン、チョコをかけたバージョン、銀箔をつけたバージョンと様々です。
繰り返しますが、コンデンスミルクの塊です。・・・・これは、ズバリ美味しい。
子供の頃、コンデンスミルク缶に缶切りで2つ穴を開け、イチゴにかけて食べた後も、指に垂らして、ペロペロ舐めていたことを思い出します。
でも、危険レベル相当高いはず。
これらの甘い甘いスイーツを砂糖をスプーン3杯入れたミルクコーヒーやチャイと一緒に、味わうインド人。そしてカレーには、辛いスパイスもたくさん。
インド人の辛さの上限と甘さの上限はどうなっているんだろう。。。
幸いにも私が、あんまりこれらのスイーツに手を出さないのは、お店の売り方、魅せ方が影響されているのもあるような気がします。
バラでも買えるんだけど、基本キロ売り。f^_^;)
お客さん、キロ単位でドカッと買っていきます。
これも、ドーンッってしすぎて、全然そそられない。(^◇^;)
あー少しの工夫で、もっと人を魅了してたくさん売れるようになるのになぁ〜。
ここら辺、改善したいなぁ〜。
デリーやムンバイ辺りなら、おしゃれな内装で目にも楽しい陳列のお店とかあるんだろうなぁ〜。売り上げ改善できるなぁ。。。
あっいかん、仕事目線入った!
でも、このおかげで、私がインドのお菓子に手を出さないでいられるなら、改善しない方が自分の為になるんじゃ・・・・。
・・・・もどかしい。
インドのお菓子は他にもたくさん種類がありますし、スナックもいろいろ。
インドに遊びに来た際は、1度は試してみてもいいかもしれません!
ケララにある知的障がい者施設に行ってきた。
先々週末、ご縁があって、ここトリバンドラムからバスに乗って2時間程したところにある、知的障がい者施設、SEIREI ASHA BHAVANにお邪魔してきました。
このご縁というのは、2ヶ月前に福祉介護を専門とされている日本人の大学教授お二人がケララの養護施設、障がい者施設、老人ホームなどを訪問されるということで、トリバンドラムにいらっしゃり、その時に打ち合わせの時だけ通訳のお手伝いをさせてもらったのがきっかけです。
その際にこの日本人の女性お二人の、『日本の高い介護技術やシステムをインドのここケララで働くスタッフさん達に教えて手助けをしたい』という想いに打たれ、今後も可能な限り間接的ながらでもお手伝いさせていただきたいと思ったのです。
その時の打ち合わせのお相手、そして今回お邪魔させて頂いた、SEIREI ASHA BHAVANの創設者で取締役のエイブラハムさんのお話もまた、貴重なお話でした。
このエイブラハムさんは、日本人の福祉実業家で教育者、その後政治家になる長谷川保氏の影響を大きく受けて、この知的障がい者施設を始めようと決意したそうです。
(私は初めて聞くお名前でした。)
この長谷川保氏は、日本で初めて特別養護老人ホーム、ホスピスを作った人物として知られている方です。1930年、一人の結核患者のための病舎を立てたことから始まり、その後、たくさんの困難と立ち向かいながら、多くの患者を救うことに尽力されたそうです。ある時、経営が立ち行かなくなり、閉鎖に追い込まれその決意した翌日に、昭和天皇から時別御下賜金を与えられ、経営危機を脱します。
エイブラハムさんは、30年前に日本の聖隷グループの施設で勉強をする機会を得て、来日し長谷川さんと出会い、日本の施設や日本の技術、日本人の心に感動し、インドでも同じような施設を作りたいと思うようになりました。
そして、やはりエイブラハムさんも長い間、資金面で色々な苦労があったそうですが、日本の聖隷グループからの寄付金、地域の援助、そして4年前からはケララ州からの支援金ももらえるようになり、ようやく経営が落ち着いてきて今に至るとおっしゃっていました。
今では、約20名〜30名ほどの入居者と13名のスタッフをお世話しているそうです。
敷地内にある、エイブラハムさん宅でランチをご馳走になりました。
今までに2回ほどご夫婦で日本に旅行で訪れたこともあると言う、日本を愛してくれているお二人です。
こうして、インドで日本や日本人に影響されているインド人に出会える度に、改めて日本を見直すことが出来るのは貴重ですね。ただ、とかくすると日本を美化しすぎたり、自分事として誇らしく思ってしまったりしてはいけないなと。そこのフィルターは、ちゃんと持つように心がけないといけないなと、思っています。
話は変わってモディショックのその後・・・・・
明日からお釣りが用意できない小売店、全く客が来ない売り上げが立たないお店は閉まるっていう話(1日一人4000ルピーしか銀行で両替できないから、高額品は全く売れないのです。)
スーパーも閉まるかもしれないから、今日のうちに買っておいた方がいいよって。
マジかよ( ;´Д`)
まぁ、お米とお野菜は週末買ったし、高額品は買う予定が全くないから、大丈夫か。
っていうか、いつまでお店が閉まるんだろう?そこは誰に聞いても分からない。
それが、重要な気がするんだけど。
トランプショック!&モディショック!&・・・
11月8日の昨夜、旦那、アヌーが家に帰ってくるなりこう言った。
アヌー:「今夜、12時から1000ルピー紙幣(1600円相当)と500ルピー(800円相当)が使えなくなるよ。」
私:「(笑)!!ウケる〜。はいはい、さっさと夜ご飯食べようε-(´∀`; )。」
と、全く取り合わない私。
・・・・・・・・・!
まさか、本当だなんて(; ̄O ̄)
だって、明日から手持ちの紙幣が使えないって、考え、考えられ、考えられる?
アヌーが、動画でモディ首相の臨時発表を見せてくれた。
『あと4時間、今夜12時をもって高額紙幣、1000ルピー、500ルピーは廃止します!』
(高額って言っても800円相当・・・)
『この国のブラックマネー(偽造紙幣)を一掃する為です。みなさん、耐えましょう。パニックにならないように!』
(このニュースを知った時点で、既に夜の11時だし。。。パニックになる時間すら与えてくれない-_-b)
いやいやいや、モディさん、おかしいでしょう。
アヌー曰く、明日(つまり今日)明後日は、この対応で銀行は閉まるはずだよと。
そして、近場のATMには、既にお金が残ってないよと。
いやいやいや、そんなむちゃくちゃな。
確かに、事前にこの話を予告しておくと、インドで流通する偽造紙幣や、他の悪い企みをしている人達は対応策を考えて、逃れようとするだろう。だから、この12億人の国民ををあっと驚かせるくらいのインパクトが必要だというのだけれど・・・
9日の今朝、英語教室に行くと、生徒も先生も「昨日のモディ首相の発表見た〜?」
「うちのお母さん、慌てて銀行に言ったよ。」「私の旦那は、最初信じてくれなかったわよ〜。」と話題は持ちきりだけれど、みんな笑顔・笑顔。冗談交じりに話している。
は〜、そうなのか、こんなことインドでは慣れっこなのか?
怒ることでも、混乱することでもないのか。(実際は、町のATMや銀行は長蛇の列でしたが。)
今回のことで、インド人を見直すポイントがアップ。臨機応変な対応力というか、おおらかというか。
実際、人々は困りながらもこのモディ首相のパフォーマンスを肯定的にとらえる人も少なくない。ブラックマネーの不正を止めることにどのくらい効果があるかは分からないが、その姿勢は評価したいというのだ。政治や国に不信感を持つ国民に向けたメッセージは伝わっているように垣間見える。
帰り道、それでもまだ半信半疑の私は、スーパーに寄ってみる。というか、食材を買う必要がある。『今のうちに、手持ちの紙幣を崩しておこう。』
お米と野菜を買い物かごに入れて、レジに行って500ルピー紙幣を見せる。
「ノーノー」
私には、それ以外財布には150ルピーしかないこと、カードも持ってないことをアピールするが、全く取り合ってくれない!(-_-)
本当に使えないんだ。
普段は決まり事やルールに全くルーズなインド人だから、今日くらい大丈夫って、インド人を甘くみていた。
実は今日11月9日は、アヌーの誕生日。ちょっと腕によりをかけて料理を作ってみようと思ったけれど、虚しく食材を入れた買い物かごはレジに置いたまま、立ち去る羽目に。。。ガーン。
それでも諦めきれない私は、私が唯一美味しいと認めるケーキ屋さんに立ち寄ってみた。
店員さんに500ルピーをかざしてみる。
『ノン、ノン』と、大きく首を横に振られる。
がっくりきたから、手持ちの150ルピーを使って、35ルピーのケーキ1個、30ルピーのコーヒーを注文して、一人自分でケーキを食べた。もう一個アヌーの分を買うと、帰りの交通費が危うい。
ケーキを食べながら、携帯でニュースを見て、びっくり!!
ドナルド・トランプが勝った?大統領!!?ひゃ〜(O_O)
これから日米関係はどうなちゃうの?
これは連日の大事件。
ケーキ屋でしばらく、これからの米印関係、日米関係、そして、これから新紙幣が出来上がるまでの数週間の生活について、考えていた。
『なぜ、インド政府は新紙幣が出来上がる前に、この作戦を決行したのだろう・・・』
『もしバスを乗り間違えても、手持ちの金で帰れるよね・・・』とも・・・。
家に帰って、2日前にうちの庭になっている大家さんからもらったパパイヤがあるのを思い出した。
今日はこれで誕生日をお祝いしよう。うん、これでいいや。
『 アヌー誕生日おめでとう!』
アヌーはサプライズとか考えるのが大好きだが、私は結構、面倒臭い派。m(__)m(すまない!)
サプライズ案に参加するのはもちろん楽しいし、人に喜んでもらいたいとも思う。でもね、私は根がガサツな為に、得意か不得意かというと、はい、不得意です♪
サプライズが流行って世の中の男性に負担が掛かってるような傾向もなんだかなって思う。だから、男らしさと女性を感動させられる演出ができるロマンチックな面を同時に求めれられている最近の(特に日本人)男性に同情している。
女性が心身ともにたくましくて、同時にすごくロマンチストだったら気持ち悪くない?
あれ、話が逸れてしまいました。そしてこれを書いていたら、ヨガの行く時間が過ぎてた!ご飯、何にしよう・・青パパイヤカレーじゃ、シャレにもならない。
追記:
このブログを上記まで書いたところで、アヌーの同僚から、電話がかかってきた。
「めぐみ、これから10分後に、バス停で待っててくれる?車で迎えに行くから!それから、この件、アヌーには連絡しちゃダメよ」
「・・・・!(◎_◎;)へっ?10分後??・・・うん、頑張る」
そう、これが、インド人。モディもモディなら、インド人は大体みんな、こうなのだ。
慌てて、服を着替えよく分からないまま、バス停で車を待つ。
迎えの車には四人のお友達がいて、ケーキが用意されていた。
「アヌーにサプライズするからね!ケーキとめぐみでダブルサプライズ!」
アヌーをびっくりさせる前に、私もびっくり。
彼らは、私を研究所に連れて行き、ここで隠れろと。
しばらくすると、研究所のアヌーの同僚、後輩、教授が20名ほど集まってきた。
「サプラ〜イズ!!」
私が飛び出すとアヌーがのけぞって、驚いた(笑)
みんな、毎日研究が忙しいのにありがとう。
ケーキ屋で一人でケーキを食べたことを少し反省 しつつ、今日2個目のケーキを味わった。
こうして、金がない、食材がない、ケーキがない私は、サプライズを企画できるお友達によって助けられたのであった。
『サプライズはいいよね〜♪』
でも、私がヨガに行っていたら、この計画は成功しなかったんだよね。偶然たまたま、ヨガをサボったのに。。。
なんだろう、無計画のようで最後になぜか辻褄が合うことが多い、インド。
蜂に刺された!指を切った!寝違えた!禿げそう、いや禿げてる!(インド的治療法)
最初にあらかじめ断っておくが、タイトルの4つが全て一気に私の身に降りかかったわけではない。
どうぞ、ご心配の無いように・・・
ただ、なぜか私は、簡単には風邪を引かないという有り難い体質を親からもらったものの、指先や足先など神経の集中しているところに『痛たたっ』っという経験をよくしている気がする・・・(要するに不注意なのかもしれない)
○蜂に刺されるの巻
2ヶ月前、ヴァルカラビーチ(Varkala)から数キロ離れたカーピルビーチ(Kappil Beach)へ泊まりに行った。
屋外のレストランで朝食を取っている時、何気なく肩に手を乗せると、
『痛っ!』
指を蜂に刺された!!(ノ_<)
肩に大きなお腹の赤い蜂が停まっていたみたい。
私もアヌーも話をやや誇張して話すタイプだが、これは本当に痛かった!
『痛いよ〜、痛いよ〜』
当時、そのホテルには従業員1人、コックさん1人、宿泊客私たち2人。
(あれっ?これもなんだか、気になる設定ではあるのだが・・)
テーブルで悶えている私を見て、アヌーが従業員に向かって走りながら尋ねる。
「トゥルシーはどこ?」。従業員が指差して、「あそこ!」と庭を指差しながら、駆けつけてくれた。
2人でトゥルシーという植物の葉っぱを摘み取って、手で葉っぱを揉みこみながら刺された指に葉っぱごと押し付けて、その液体を傷口に刷り込んでくれた。
インド人は、みんな民間療法として当たり前のように知っている。
傷口の消毒にはトゥルシー。
もちろん、この薬効はそれだけではないのだけれど、インドの家庭の庭にはかなりの確率でトゥルシーが植えてある。
インドには「家にトゥルシーがあれば、病気や不幸は、その家に入ることができない。」と言う諺があり、5000年もの長きに渡って愛用されているハーブだそうです。
この応急処置の後、すぐに痛みも腫れも引いてきた。
この後、私たちの庭にもトゥルシーの小さな苗が植えられた。
○指を切るの巻
3日前、いつもはニンジンをインドで買った削り器で削っているのだが、その日はなんとなく日本から持ってきた削り器を使ってみたくなった。
おっやっぱり、切れ味良い〜。削りがスムーズ〜♪
「痛っ!!」
切れ味が良すぎて、指も削っちゃった!(;_;)
ちっちゃい傷に見えて、意外に深め。とりあえず絆創膏をきつく巻いておこう。
その夜、アヌーが帰って来ると、絆創膏の巻かれた指と傷口を見るなり、すぐにお義母さんに電話する。
アヌー:「めぐみが指を負傷!至急、応急処置のアドバイスを求む!」
お義母さん:「(アドバイス)」
アヌー:「うん、うん、分かった。ラジャー!」
2ヶ月前に庭に植えたトゥルシーの葉っぱをもぎ取り、オーガニックのターメリックパウダーと葉から出る液体と混ぜ合わせる。そして、それを傷口に乗せ無菌ガーゼで包み込む。
これがその図。
トゥルシーとターメリックは天然の強力な抗菌剤。
アヌーは私がマキロン、マキロンと探したものの、探す途中で面倒で使わなかったことに胸をなでおろす。このような消毒剤で細胞の動きを抑制しただけで濡らしたままにするのは、細胞にとって良くないらしい。
(アヌーは細胞の研究が専門です)
治療をしてくれている間、皮膚の細胞の役割と反応、治癒に至る流れを戦争に例えて教えてくれた。
しばらくそのままで放置した後、濡らしたガーゼでトゥルシーの液体とターメリックを良く拭き取る。
その後、傷口が乾いたら、ココナッツオイルを塗って、ガーゼや絆創膏で濡れないように保護する。
このオイルは、その後傷口にばい菌が入るのを防ぐ防御膜の役割をする。
こんなにおおげさにしなくても・・・と思いつつも切れた指先のビリビリした痛みが徐々に落ち着いてくることに驚く。
あれから3日後、確かに今までは絆創膏だけの処置で指や傷口の皮膚がふにゃふにゃになって、それから治っていくという過程だけど、今回は治りが早いような。。。
ここで大活躍で噂の、英語名で聖なるバジル(Holy basil)と言われる、インドの民間療法で有名なトゥルシーの登場です。
これは、先月泊まったホテルの庭にあったトゥルシー。
○寝違えた?の巻
先月、私が日本からインドに帰ってきたら、アヌーの首がおかしくなっていた。
寝違えたのか、顕微鏡を集中して見つめすぎたか痛くて首が動かせないらしい。
(実はこの首、意外に深刻でこれからも治療が続くのだが・・・)
まずはインド的応急処置。
マッサージオイルで患部をマッサージ。その後、患部を日光にさらす。
これをサンバス(Sun Bath)と言います。インドでは太陽の光は、痛みや病気を和らげるといわれています。
この際、頭は濡れた布で覆って直射日光を防ぎます。
これがその図。
昔は、上半身オイルテカテカのおじさんが、朝早く散歩しながら日光を浴び、それから、川や水辺でオイルを流すという光景やよく見られたそう。これもインドの民間療法。
○禿げかけたら、禿げる前にの巻
アヌーは頭頂部がうっすら禿げています。でも、5年前からずっとこのまま。
あれっ?進行していない?
そして、同居している弟は、この兄の禿げ加減をかなり気にしています。僕もこんなになるんじゃ・・・・。
その2人が毎日シャワーの前に頭皮につけているのがブラフミーオイル(Brahmi oil)。インドの最高神、ブラフマンから名前をもらうほど、インドでは重要視されているハーブ。
アーユルヴェーダの薬の中でも若返りのハーブとしてとても有名です。
2人はこのオイルを毎朝、頭皮に擦り込んでシャワーを浴びる。ちなみに頭を洗う時、シャンプーはしません。時々石鹸で体と一緒に洗う時もあるけれど、基本は水で洗いながす程度。化学成分は頭皮にはつけない派。
(私はそれでもシャンプー使う派です。日本にいる時に比べて使う量を減らして、トリートメントは使わない派になりました。)
このように、インドの民間療法は今でも普通に各家庭に浸透しています。
きっと、昔の日本もこんな感じで身近な植物や、食べ物でちょっとした不調や怪我を治していたんだろうな。簡単に手に入る方が、薬になってきてしまったんだな、きっと。