インドに向けた新商品、「カレー汚れを落とす洗濯機」について思うこと
今月、日本の有名家電メーカーが、これからのインド市場に向けた新商品、「カレー汚れを落とす洗濯機」を開発、発売したというニュースを見ました。
インド各地で好まれるカレーの成分を調査し、しつこい汚れを落とすのに最適な水温、水流、時間を研究するなどして2年がかりで開発したという。
この開発にはインド料理研究家の香取薫さんが関わって、商品化に至ったそうです。
また、ヘアオイルを落とすなどといったコース、5種類くらいが加えられている、と。
価格はやや高めの中高所得者向けで、日本円で約5万円。
インドに暮らす、日本人として日本のメーカーがインドで活躍することを願っている1人として、一言言いたいのです。
「うっうっ・・・売れなそう。」(;ω;)
これこそ日本が言われている、ガラパゴス化なんだなぁって思ってしまいました。
無駄に機能が多すぎて高い。
実際、メーカーがどれだけのマーケティングを行って、どれだけインドに踏み込んで調査して、どんなプロモーションを考えているのかは、記事の内容だけでは分からなかったのですが、カレー汚れを落とす洗濯機って・・・。
例えばそれは、外国のメーカーが、日本人に向けて「洋服の魚臭さ、だし臭さを落とす洗濯機」を開発したのと同じ気がするのです。例えば「醤油を落とす洗濯機」というキャッチコピーが日本人の心を捉えるかな。
ちなみに私のインドの家族や、友達にこの商品についてどう思う?って聞いて見たところ、全員に「Useless(無用だね)」って言われちゃいました。
やっぱりね〜。
「もしも、食べ物が洋服についた時は、すぐに水をつけて手洗い場の石鹸をちょっとつけて拭けばすぐ落ちるよ」
「そのまま、つけっぱなしにして乾いたら取れないってみんな知ってるから、すぐ落とすのが当たり前」
「大きな家族で暮らしてるからヘアオイル用とかカレー用とかいちいちそんなめんどくさいコースなんか気にしないよ」
開発に関わった香取薫さんの料理本は私も持っていてお世話になっていて、日本ではかなり有名な方ですが、インド人は知るわけもなく。
一方、某韓国の有名2メーカーは、機能はそこまでないがこなれた価格とコンパクトなサイズで(ここケララでは)人気があるようです。しかも、さすがだなーと思うのは、インドの最大のお祭り、オーナム、ディワリの時期に合わせて新商品の発売や、販売店のオープンをしてイベントを行っていること。このお祭りの前後には新しいものを買うという習慣があって、買い物熱が高まりすごいお金が動く時期ということをあらかじめ知っていての戦略と思われます。
このままでは車だってうかうかしてられないと思っちゃうこの頃です。
6車線の拡張工事の真っ最中のバイパス沿いに先駆けてオープンしていく数々の車メーカーのショールームを 見ていると、戦略が見えてきます。
このバイパス、現在5万人の従業員と400社のIT企業を抱えるIT集積地、テクノパークから空港までを一直線につなぐ道路です。インドのトリバンドラムなんて、日本人の誰も知らないだろうけど、実は熱い熱い経済発展をしているところでした。
もちろん、インドのたくさんの都市でこんな現象が起こってることが予想できますし、きっと東南アジアもだいぶ前からこんな感じで、急速な経済成長を遂げたんだろうな〜。そして今も現在進行中。
今はまだ、ビザの関係で定職につけない身だけれど、こうやって経済を見ていくっておもしろい。