たまにはインドの良さも?外出自粛、5ヶ月目突入。。。
コロナウイルスにより、政府からの正式なロックダウンが発令されたのは3月25日。ですが、3月初めからコロナウイルスの理由で外国人に対する差別行動がケララでも起こり始めたということで自主的に外出自粛をしていたので、とうとう5ヶ月目に入ります。
インド全体のニュースで見ると前回もお伝えした様に、感染者数はますます勢いをまして伸びていて、緩和どころか再度都市封鎖の規制を強化するとも言われています。最近は、タミルナドゥ州が再規制をはじめました。
感染者数データのこの表でもわかる様に、ムンバイ、チェンナイ、デリーなどの大都市が圧倒的に多く、それに比べて、インドの全州の中でも比較的都会と認識されているケララは、かなり健闘(?)している、だいぶ少ないのが分かっていただけると思います。
お隣のタミルナドゥ州(首都チェンナイ)に比べても5%です。
とは言っても、2週間前にトリバンドラムではオートドライバーが感染したということで、ニュースになったので警戒心を緩めてはいけないとは思いますが。。。
さて、私にはトリバンドラムに三人の日本人女性の友人がいます。
みんな旦那さんはインド人。自粛生活でストレスが溜まってるなか、時々情報交換したり、生活のヒントを与え合ったりして、気持ちを支え合っています(笑)
その中の一人の女性は、旦那さんがカシミール人で、観光地のビーチ沿いの洋服や雑貨などのおみやげ屋さんを何軒か経営しています。
今回は、彼女の体験も交えて見えるインド人のお話。
今、彼女の家には、おみやげ屋さんスタッフとして雇っているカシミール人の男性数名他に、彼女の旦那さんのお兄さん家族、旦那さんの両親が暮らしています。
去年末から、カシミール地域の政情が悪くなり、今年の2月頃に、危険なカシミールから一時的に避難するということでやってきた旦那さんのご両親とお兄さん家族。
コロナの影響で帰れなくなってしまっています。
というわけで、この家は部屋もたくさんあって大きいのだけれど、同じ家に14名くらいが同居する生活。彼女はもはや寮母さん状態。(/ _ ; )
もちろん、お義母さんも料理など手伝ってくれているのだけれど、1歳と4歳の二人の小さい子供を持つ彼女は、毎日がてんやわんや。(本当に偉い)
それでも、忍耐力と包容力のある彼女は、いつも穏やかな口調。私からするともはや神様レベル。
私は絶対無理そう。。プライベート空間と時間の全くない生活。。。
おみやげ屋はお客さんがいないから、みんなスタッフもほとんど家で過ごしているそうだし。
彼女の日々の生活を聞くと、私はまだまだだわと思ってしまいます。
ある日そんな彼女が、ほぼ初めてくらい不満を漏らしました。
彼女:「お義兄さんの嫁が、私の持っているもの羨ましがってか分かんないけど、勝手に使ったり、着たりするんだよね。家族だから、共有して大丈夫じゃないっていう感じで。しかも日本人でお金持ちなんだから、くれてもいいくらいっていう言い方みたいなの。」
彼女:「なんか、私も家事手伝いしてるし、お手伝いしているから、そういうことでいいでしょ?、みたいな感じなの」
私:「許可なく人の服きたり、モノを使うことと、それをお手伝いでチャラにして許してもらうって、それはちがうよねぇ。。」
確かに、インド人全員がそうとは言わないけれど、インド人はパーソナルな私物と他人、または家族の私物の境界が(私達が思う)日本人の感覚とははっきりしていない部分があって、よく言えばば寛容になんでも貸してくれるし、悪く言えば勝手に使っちゃう。
私達と彼女の自分のパーソナルな空間とモノの線引きが違うので、今使ってないからとか、家族だからとかで勝手に私物を触られて不快になるっていう気持ちはあんまり分かっていないようなのと、そしてこの悪気がない(本当に悪気がないのかは分かりませんが)のが、さらにちょっと面倒臭い。
ただ、日本人だって勝手に黙って人の物を使っちゃうっていう人いるし、この私達の経験だけでインド人を一括りに扱うつもりはないんだけど。
私もアヌーがなんでも貸したり、あげたりするのをよく見るし、近所の人や、インドの友人も損得勘定抜きでいろんなものを共有したりあげたり、そして私に与えてくれたりしているのをみて、ある意味すごいなぁと思うところもよくあります。
ほぼ初めて不満を漏らした彼女が続けた、
彼女:「でもさ、私の旦那のいとこは、昔、旦那や彼の両親から時計や服やら色々盗んで転売していたんだって。これ犯罪だよね。でも、初めはすごい怒っていたけれど、今は仲が戻ってて、旦那達は、『あの時は彼(いとこ)はちょっと魔が差していた時期で、今はいい奴に戻っているから大丈夫』なんだって。日本人の感覚だと、家族、親戚の縁切るか、一切口聞かないレベルだよね。。。インド人の懐の深さってどれだけって思うよ。だから、私がまだまだなのかなぁ。」
私:「え〜まじで??旦那さん、すごすぎない?インド人凄すぎ? いやいやいや、それはともかくあなたは十分、忍耐力も包容力も相当あるから。」
やっぱり、義姉さんが自分の服を着たり、モノを使ったりするのは嫌だ。
ただ、それにしてもインド人の寛容さ(?)は計り知れない。
今までの私の経験を合わせてみて考えると、”みんな人は不完全だ”ということを前提に生きている気がするんですよね。。。”こうあるべき”にあんまり影響されていない。
彼女とも、インド人の良さってねちねちケチケチしている人が少ないよねと話しました。
自分が今得することより、いつか自分も誰かの助けを必要とする時があるし、そうじゃなくても目の前の人と喜ばせたいって思いがあるというか。
賄賂や汚職、不正にまみれた国ではあるんだけれど。。。
そこはまだ矛盾があるんだなぁ。。。(笑)
最近、インドのネガティブな内容ばかりだったので、インド人の良さをと思い立って書きましたが、ただの驚きネタになってしまったような。
後日彼女は、
「最初は、両親もお義兄さんの家族も早くカシミールに帰ってくれないかなと思っていたけれど、こうロックダウンが続くと、息子と娘の相手をしてくれて助かるわって思うようになったよ。後は、使って欲しくないのは、そうはっきり言えばいいみたいってことも分かった」
と言っていました。
もう一度書きます。
「インド人はとっても優しいんです」