南インド、ケララでかなりveggyなhealthy life

インド人に嫁いだ日本人から、読んだ方が「私もインドに行ってみたい!」って気分になるような情報を発信してきます。

ケララにある知的障がい者施設に行ってきた。

先々週末、ご縁があって、ここトリバンドラムからバスに乗って2時間程したところにある、知的障がい者施設、SEIREI ASHA BHAVANにお邪魔してきました。

 

このご縁というのは、2ヶ月前に福祉介護を専門とされている日本人の大学教授お二人がケララの養護施設、障がい者施設、老人ホームなどを訪問されるということで、トリバンドラムにいらっしゃり、その時に打ち合わせの時だけ通訳のお手伝いをさせてもらったのがきっかけです。

 

その際にこの日本人の女性お二人の、『日本の高い介護技術やシステムをインドのここケララで働くスタッフさん達に教えて手助けをしたい』という想いに打たれ、今後も可能な限り間接的ながらでもお手伝いさせていただきたいと思ったのです。

その時の打ち合わせのお相手、そして今回お邪魔させて頂いた、SEIREI ASHA BHAVANの創設者で取締役のエイブラハムさんのお話もまた、貴重なお話でした。

 

このエイブラハムさんは、日本人の福祉実業家で教育者、その後政治家になる長谷川保氏の影響を大きく受けて、この知的障がい者施設を始めようと決意したそうです。

(私は初めて聞くお名前でした。)

この長谷川保氏は、日本で初めて特別養護老人ホーム、ホスピスを作った人物として知られている方です。1930年、一人の結核患者のための病舎を立てたことから始まり、その後、たくさんの困難と立ち向かいながら、多くの患者を救うことに尽力されたそうです。ある時、経営が立ち行かなくなり、閉鎖に追い込まれその決意した翌日に、昭和天皇から時別御下賜金を与えられ、経営危機を脱します。

 

長谷川保 - Wikipedia

 

エイブラハムさんは、30年前に日本の聖隷グループの施設で勉強をする機会を得て、来日し長谷川さんと出会い、日本の施設や日本の技術、日本人の心に感動し、インドでも同じような施設を作りたいと思うようになりました。

 

そして、やはりエイブラハムさんも長い間、資金面で色々な苦労があったそうですが、日本の聖隷グループからの寄付金、地域の援助、そして4年前からはケララ州からの支援金ももらえるようになり、ようやく経営が落ち着いてきて今に至るとおっしゃっていました。

 

今では、約20名〜30名ほどの入居者と13名のスタッフをお世話しているそうです。

 

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 敷地内にある、エイブラハムさん宅でランチをご馳走になりました。

 

今までに2回ほどご夫婦で日本に旅行で訪れたこともあると言う、日本を愛してくれているお二人です。

 

こうして、インドで日本や日本人に影響されているインド人に出会える度に、改めて日本を見直すことが出来るのは貴重ですね。ただ、とかくすると日本を美化しすぎたり、自分事として誇らしく思ってしまったりしてはいけないなと。そこのフィルターは、ちゃんと持つように心がけないといけないなと、思っています。

 

話は変わってモディショックのその後・・・・・

明日からお釣りが用意できない小売店、全く客が来ない売り上げが立たないお店は閉まるっていう話(1日一人4000ルピーしか銀行で両替できないから、高額品は全く売れないのです。)

スーパーも閉まるかもしれないから、今日のうちに買っておいた方がいいよって。

 

マジかよ( ;´Д`)

 

まぁ、お米とお野菜は週末買ったし、高額品は買う予定が全くないから、大丈夫か。

っていうか、いつまでお店が閉まるんだろう?そこは誰に聞いても分からない。

それが、重要な気がするんだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

トランプショック!&モディショック!&・・・

11月8日の昨夜、旦那、アヌーが家に帰ってくるなりこう言った。

 

アヌー:「今夜、12時から1000ルピー紙幣(1600円相当)と500ルピー(800円相当)が使えなくなるよ。」

私:「(笑)!!ウケる〜。はいはい、さっさと夜ご飯食べようε-(´∀`; )。」

と、全く取り合わない私。

 

 

 

・・・・・・・・・!

まさか、本当だなんて(; ̄O ̄)

だって、明日から手持ちの紙幣が使えないって、考え、考えられ、考えられる?

 

アヌーが、動画でモディ首相の臨時発表を見せてくれた。

『あと4時間、今夜12時をもって高額紙幣、1000ルピー、500ルピーは廃止します!』

(高額って言っても800円相当・・・)

『この国のブラックマネー(偽造紙幣)を一掃する為です。みなさん、耐えましょう。パニックにならないように!』

(このニュースを知った時点で、既に夜の11時だし。。。パニックになる時間すら与えてくれない-_-b)

 

www.youtube.com

 

www.huffingtonpost.jp

 

いやいやいや、モディさん、おかしいでしょう。

 

アヌー曰く、明日(つまり今日)明後日は、この対応で銀行は閉まるはずだよと。

そして、近場のATMには、既にお金が残ってないよと。

 

いやいやいや、そんなむちゃくちゃな。

 

確かに、事前にこの話を予告しておくと、インドで流通する偽造紙幣や、他の悪い企みをしている人達は対応策を考えて、逃れようとするだろう。だから、この12億人の国民ををあっと驚かせるくらいのインパクトが必要だというのだけれど・・・

 

 9日の今朝、英語教室に行くと、生徒も先生も「昨日のモディ首相の発表見た〜?」

「うちのお母さん、慌てて銀行に言ったよ。」「私の旦那は、最初信じてくれなかったわよ〜。」と話題は持ちきりだけれど、みんな笑顔・笑顔。冗談交じりに話している。

 

は〜、そうなのか、こんなことインドでは慣れっこなのか?

怒ることでも、混乱することでもないのか。(実際は、町のATMや銀行は長蛇の列でしたが。)

今回のことで、インド人を見直すポイントがアップ。臨機応変な対応力というか、おおらかというか。

実際、人々は困りながらもこのモディ首相のパフォーマンスを肯定的にとらえる人も少なくない。ブラックマネーの不正を止めることにどのくらい効果があるかは分からないが、その姿勢は評価したいというのだ。政治や国に不信感を持つ国民に向けたメッセージは伝わっているように垣間見える。

 

帰り道、それでもまだ半信半疑の私は、スーパーに寄ってみる。というか、食材を買う必要がある。『今のうちに、手持ちの紙幣を崩しておこう。』

 

お米と野菜を買い物かごに入れて、レジに行って500ルピー紙幣を見せる。

「ノーノー」

私には、それ以外財布には150ルピーしかないこと、カードも持ってないことをアピールするが、全く取り合ってくれない!(-_-)

 

本当に使えないんだ。

 

普段は決まり事やルールに全くルーズなインド人だから、今日くらい大丈夫って、インド人を甘くみていた。

 

実は今日11月9日は、アヌーの誕生日。ちょっと腕によりをかけて料理を作ってみようと思ったけれど、虚しく食材を入れた買い物かごはレジに置いたまま、立ち去る羽目に。。。ガーン。

それでも諦めきれない私は、私が唯一美味しいと認めるケーキ屋さんに立ち寄ってみた。

店員さんに500ルピーをかざしてみる。

『ノン、ノン』と、大きく首を横に振られる。

 

がっくりきたから、手持ちの150ルピーを使って、35ルピーのケーキ1個、30ルピーのコーヒーを注文して、一人自分でケーキを食べた。もう一個アヌーの分を買うと、帰りの交通費が危うい。

ケーキを食べながら、携帯でニュースを見て、びっくり!!

 

ドナルド・トランプが勝った?大統領!!?ひゃ〜(O_O)

これから日米関係はどうなちゃうの?

 

これは連日の大事件。

 

ケーキ屋でしばらく、これからの米印関係、日米関係、そして、これから新紙幣が出来上がるまでの数週間の生活について、考えていた。

『なぜ、インド政府は新紙幣が出来上がる前に、この作戦を決行したのだろう・・・』

『もしバスを乗り間違えても、手持ちの金で帰れるよね・・・』とも・・・。

 

家に帰って、2日前にうちの庭になっている大家さんからもらったパパイヤがあるのを思い出した。

今日はこれで誕生日をお祝いしよう。うん、これでいいや。

『 アヌー誕生日おめでとう!』

 

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アヌーはサプライズとか考えるのが大好きだが、私は結構、面倒臭い派。m(__)m(すまない!)

 

サプライズ案に参加するのはもちろん楽しいし、人に喜んでもらいたいとも思う。でもね、私は根がガサツな為に、得意か不得意かというと、はい、不得意です♪

サプライズが流行って世の中の男性に負担が掛かってるような傾向もなんだかなって思う。だから、男らしさと女性を感動させられる演出ができるロマンチックな面を同時に求めれられている最近の(特に日本人)男性に同情している。

女性が心身ともにたくましくて、同時にすごくロマンチストだったら気持ち悪くない?

 

あれ、話が逸れてしまいました。そしてこれを書いていたら、ヨガの行く時間が過ぎてた!ご飯、何にしよう・・青パパイヤカレーじゃ、シャレにもならない。

 

追記:

このブログを上記まで書いたところで、アヌーの同僚から、電話がかかってきた。

 

「めぐみ、これから10分後に、バス停で待っててくれる?車で迎えに行くから!それから、この件、アヌーには連絡しちゃダメよ」

 

「・・・・!(◎_◎;)へっ?10分後??・・・うん、頑張る」

 

そう、これが、インド人。モディもモディなら、インド人は大体みんな、こうなのだ。

 

慌てて、服を着替えよく分からないまま、バス停で車を待つ。

迎えの車には四人のお友達がいて、ケーキが用意されていた。

 

「アヌーにサプライズするからね!ケーキとめぐみでダブルサプライズ!」

 

アヌーをびっくりさせる前に、私もびっくり。

 

彼らは、私を研究所に連れて行き、ここで隠れろと。

しばらくすると、研究所のアヌーの同僚、後輩、教授が20名ほど集まってきた。

 

「サプラ〜イズ!!」

私が飛び出すとアヌーがのけぞって、驚いた(笑)

 

 

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みんな、毎日研究が忙しいのにありがとう。

ケーキ屋で一人でケーキを食べたことを少し反省 しつつ、今日2個目のケーキを味わった。

こうして、金がない、食材がない、ケーキがない私は、サプライズを企画できるお友達によって助けられたのであった。

『サプライズはいいよね〜♪』

 

でも、私がヨガに行っていたら、この計画は成功しなかったんだよね。偶然たまたま、ヨガをサボったのに。。。

なんだろう、無計画のようで最後になぜか辻褄が合うことが多い、インド。

 

 

 

 

 

 

蜂に刺された!指を切った!寝違えた!禿げそう、いや禿げてる!(インド的治療法)

最初にあらかじめ断っておくが、タイトルの4つが全て一気に私の身に降りかかったわけではない。

どうぞ、ご心配の無いように・・・

ただ、なぜか私は、簡単には風邪を引かないという有り難い体質を親からもらったものの、指先や足先など神経の集中しているところに『痛たたっ』っという経験をよくしている気がする・・・(要するに不注意なのかもしれない)

 

蜂に刺されるの巻

2ヶ月前、ヴァルカラビーチ(Varkala)から数キロ離れたカーピルビーチ(Kappil Beach)へ泊まりに行った。

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屋外のレストランで朝食を取っている時、何気なく肩に手を乗せると、

『痛っ!』

指を蜂に刺された!!(ノ_<)

肩に大きなお腹の赤い蜂が停まっていたみたい。

私もアヌーも話をやや誇張して話すタイプだが、これは本当に痛かった!

『痛いよ〜、痛いよ〜』

 

当時、そのホテルには従業員1人、コックさん1人、宿泊客私たち2人。

(あれっ?これもなんだか、気になる設定ではあるのだが・・)

テーブルで悶えている私を見て、アヌーが従業員に向かって走りながら尋ねる。

「トゥルシーはどこ?」。従業員が指差して、「あそこ!」と庭を指差しながら、駆けつけてくれた。

2人でトゥルシーという植物の葉っぱを摘み取って、手で葉っぱを揉みこみながら刺された指に葉っぱごと押し付けて、その液体を傷口に刷り込んでくれた。

インド人は、みんな民間療法として当たり前のように知っている。

 

傷口の消毒にはトゥルシー。

もちろん、この薬効はそれだけではないのだけれど、インドの家庭の庭にはかなりの確率でトゥルシーが植えてある。

 

インドには「家にトゥルシーがあれば、病気や不幸は、その家に入ることができない。」と言う諺があり、5000年もの長きに渡って愛用されているハーブだそうです。

 

 

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この応急処置の後、すぐに痛みも腫れも引いてきた。

 

この後、私たちの庭にもトゥルシーの小さな苗が植えられた。

 

○指を切るの巻

3日前、いつもはニンジンをインドで買った削り器で削っているのだが、その日はなんとなく日本から持ってきた削り器を使ってみたくなった。

おっやっぱり、切れ味良い〜。削りがスムーズ〜♪

「痛っ!!」

切れ味が良すぎて、指も削っちゃった!(;_;)

 

ちっちゃい傷に見えて、意外に深め。とりあえず絆創膏をきつく巻いておこう。

その夜、アヌーが帰って来ると、絆創膏の巻かれた指と傷口を見るなり、すぐにお義母さんに電話する。

アヌー:「めぐみが指を負傷!至急、応急処置のアドバイスを求む!」

お義母さん:「(アドバイス)」

アヌー:「うん、うん、分かった。ラジャー!」

 

2ヶ月前に庭に植えたトゥルシーの葉っぱをもぎ取り、オーガニックのターメリックパウダーと葉から出る液体と混ぜ合わせる。そして、それを傷口に乗せ無菌ガーゼで包み込む。

 

これがその図。

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トゥルシーとターメリックは天然の強力な抗菌剤。

 

アヌーは私がマキロン、マキロンと探したものの、探す途中で面倒で使わなかったことに胸をなでおろす。このような消毒剤で細胞の動きを抑制しただけで濡らしたままにするのは、細胞にとって良くないらしい。

(アヌーは細胞の研究が専門です)

治療をしてくれている間、皮膚の細胞の役割と反応、治癒に至る流れを戦争に例えて教えてくれた。

 

しばらくそのままで放置した後、濡らしたガーゼでトゥルシーの液体とターメリックを良く拭き取る。

その後、傷口が乾いたら、ココナッツオイルを塗って、ガーゼや絆創膏で濡れないように保護する。

このオイルは、その後傷口にばい菌が入るのを防ぐ防御膜の役割をする。

 

こんなにおおげさにしなくても・・・と思いつつも切れた指先のビリビリした痛みが徐々に落ち着いてくることに驚く。

 

あれから3日後、確かに今までは絆創膏だけの処置で指や傷口の皮膚がふにゃふにゃになって、それから治っていくという過程だけど、今回は治りが早いような。。。

 

ここで大活躍で噂の、英語名で聖なるバジル(Holy basil)と言われる、インドの民間療法で有名なトゥルシーの登場です。

 

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これは、先月泊まったホテルの庭にあったトゥルシー。

 

 

○寝違えた?の巻

先月、私が日本からインドに帰ってきたら、アヌーの首がおかしくなっていた。

寝違えたのか、顕微鏡を集中して見つめすぎたか痛くて首が動かせないらしい。

(実はこの首、意外に深刻でこれからも治療が続くのだが・・・)

まずはインド的応急処置。

 

マッサージオイルで患部をマッサージ。その後、患部を日光にさらす。

これをサンバス(Sun Bath)と言います。インドでは太陽の光は、痛みや病気を和らげるといわれています。

この際、頭は濡れた布で覆って直射日光を防ぎます。

 

これがその図。

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昔は、上半身オイルテカテカのおじさんが、朝早く散歩しながら日光を浴び、それから、川や水辺でオイルを流すという光景やよく見られたそう。これもインドの民間療法。

 

○禿げかけたら、禿げる前にの巻

アヌーは頭頂部がうっすら禿げています。でも、5年前からずっとこのまま。

あれっ?進行していない?

そして、同居している弟は、この兄の禿げ加減をかなり気にしています。僕もこんなになるんじゃ・・・・。

その2人が毎日シャワーの前に頭皮につけているのがブラフミーオイル(Brahmi oil)。インドの最高神、ブラフマンから名前をもらうほど、インドでは重要視されているハーブ。

アーユルヴェーダの薬の中でも若返りのハーブとしてとても有名です。

 

2人はこのオイルを毎朝、頭皮に擦り込んでシャワーを浴びる。ちなみに頭を洗う時、シャンプーはしません。時々石鹸で体と一緒に洗う時もあるけれど、基本は水で洗いながす程度。化学成分は頭皮にはつけない派。

(私はそれでもシャンプー使う派です。日本にいる時に比べて使う量を減らして、トリートメントは使わない派になりました。)

 

このように、インドの民間療法は今でも普通に各家庭に浸透しています。

 

きっと、昔の日本もこんな感じで身近な植物や、食べ物でちょっとした不調や怪我を治していたんだろうな。簡単に手に入る方が、薬になってきてしまったんだな、きっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の結婚&インド行きに影響を与えてくれた大切なお友達へ

2014年8月、私の初めてのインド旅行。

 

その後旦那さんになるアヌーとは、その年、4月の彼のインドへの帰国の際に、別れていた。

理化学研究所での契約就労期間が終わり、再度就職先を探すことになる彼には「インドに来てくれ、僕が守ってあげるから」という言葉は重すぎた。私にとってもインドという国が遠く過ぎて、『カオス』というイメージしかなかった。。

 

8月の夏休みを1ヶ月後に控えた時に、アヌーがよく自分の故郷、ケララ自慢をしていたことを思い出しながら、「そうだ、ケララに行ってみよう〜」という気になった。

 

アヌーからは、『私の約5日間の滞在中2回くらいは一緒に食事できるかなということ』、但し何せ保守的な南インドだから、『2人きりでは会えないこと』は事前に連絡をもらっていた。そこで、ケララにある旅行会社に問い合わせ、私の滞在中のアテンドをお願いすることにした。

その時にアテンドしてくれたのが、その旅行会社で1年間そこで働くことが決定したばかりの日本人、さっちゃん。

 

コーチ空港に着いた日、なつっこい優しい笑顔で出迎えてもらってから、毎日観光地を巡る移動中、ずっと一緒に行動。そしておしゃべりしっぱなし。27歳の彼女とはそこで初めて会ったのに2、3日後には親友のように仲良しになっていた。そして、その明るさとユーモアあふれる話でたくさんのケララの魅力を伝えてもらった。

 

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3日目、アヌーと3人で昼食をした時、さっちゃんが仕事で小1時間席を外した。

その間、アヌーと2人でショッピングモールでお茶をしていると通りがかりのおじさんに、いきなり怒鳴られ、いちゃもんをつけられた。

『未婚の男女が2人、こんなところで何してるんだ!お前の住所はどこだ。親、親戚に言いつけてやるぞ!』

 

それでようやく気付いた。アヌーが言っている”文化の違い”が大げさじゃないっていうことに・・。

 

4日目、移動中の車の中で、さっちゃんに聞いてみた。

「なぜ、インドで働こうと思ったの?なんでアーユルヴェーダに興味を持ったの?」

 

彼女がさらっと答えてた。「私、実は去年乳がんになって、手術したんですよ。」

 

乳がんの手術をした後、抗がん剤治療を始めたのだが、彼女自身いろいろ調べて、家族と相談して、途中でその治療を止め、他の方法で再発を防いでいこうという決断をしたという。

その時出会ったのが、アーユルヴェーダ。

 

「最初はインドで働くつもりはなく、数ヶ月療養目的でケララに来てみたら、心身ともに楽になって、居心地が良くって。その後、たまたまこの旅行会社を見つけ、1年契約で働かせてもらいながら、アーユルヴェーダも勉強してるんですよ〜。」

 

私はすぐにうまく返答する言葉が見つからなく、26歳でがん宣告を受けてから今日に至るまでの話をずっと聞いていた。その時でさえ、ちょっとだけ悲しい顔を見せるだけで、後はさらっと笑顔さえ交えながら話してくれたのを思い出す。

 

「日本の仕事も営業だったけど、業種は違ってもこうやって人と関わりあえることが好きですね〜。しかもインド人は笑顔の出し惜しみをしない!」

「あったら便利なものってたくさんあるけれど、なくてもいいものもたくさんあるってインドに来て気付きました〜。」

 

5日目、いよいよ観光地巡りの間も、会話は恋愛の話をだったり、仕事の愚痴だったり(笑)、撮影スポットもそっちのけになったり。楽しかった〜(*^_^*)

実は仕事が忙しくてインド人の友達が作れないというさっちゃんにアヌーとその友達を紹介したり。

 

最終日、アヌーがホテルまで来て、荷物を運ぶのを手伝いに部屋に来てくれた。部屋のドアを閉めて5分もしないうちに、ホテルの従業員がベルを鳴らす。

『クリーニングはありますか?』(今日チェックアウトなのにあるわけがない!)

その5分後、別のスタッフが、ドアを叩く。そして、開けて部屋の中を覗こうと。

つまり未婚のインド人が、女性の泊まる部屋に入ること自体が(たとえ短い時間でも)いかがわしく、許されない行為なのだ。

 

その部屋で、アヌーが涙を流した。

「インドがこんな国でごめん。僕がインド人でごめん」

 

 

1年後、2015年の4月、契約期間より少し早めに帰国したさっちゃん。

私が帰国してからも、しばらくメールのやり取りは続いていたけど、連絡が途絶えがちになってきた矢先の帰国報告。ちょっと体調がすぐれないらしい。。

 

あの夏のインド旅行の6か月後に、アヌーと結婚を決意したけれど、この決意にさっちゃんの存在が大きかった。

さっちゃんがケララで生き生きしていたから、さっちゃんが楽しそうだったから、さっちゃんのおかげてケララが好きになれた。

う〜ん、ちょっと大変そうな国だけどなんとかなるだろう。って思わせてくれた。

 

 

 

今日はさっちゃんの1回忌。

 

去年告別式に行った時、遺影を見てすぐに分かったこの写真の撮影者がアヌーってことに。私の帰国後に、アヌーの友人グループとさっちゃんのお友達でコーチの海に出かけたって。

お兄さんが教えてくれた。『妹がこれが2014年のベストショットって言ってたんです』

 

亡くなる1ヶ月前のFBへの最後の投稿の一部。

 

 

・・・・26歳の私にはこの宣告はマイケルジョーダンでした。

・・・

中略

・・・

幸せなことを幸せと叫ぶこと

大好きなことを大好きという事

これが私にもやっとできるようになりました。

今を大切に生きましょ〜ね〜。

今は毎日食べる梨が美味しすぎますじゅーしー♡笑 コンビニとか言ってないので美味し新商品あったら教えてください(≧∇≦)

 

今、私もアヌーも、さっちゃんのこと思い出してるよ。ケララは、今日も日差しが眩しいけれど、バナナとココナッツの木が風に揺れて、心地の良い音を鳴らしてくれています。

 

追記:(11月10日)

さっちゃんのお兄さんに連絡したら、彼女の2014年のベストショット写真を載せてもいいとご承諾をいただきました。「咲地も喜ぶと思います」と。

 

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モルジブに行ってきた!(Maldives Trip!) 〜3泊4日、6万円以内(交通費別)で過ごす方法〜

昨年12月末にケララに来て結婚後、いろんなところへ小旅行してきましたが、今回の旅行は名目上、”新婚旅行”!

私としては、インドを巡っているだけでも新鮮な旅行なのであまり気にしていなかったけれど、ここはやっぱり海外へ行ってみよう!ということで。

行ってきました!新婚旅行定番スポット、モルジブへ。・・・いや、モルディブへ。

 

なぜ、モルジブだったかと言うと・・・・めっちゃ近いから!!(笑)(*^_^*)

あれ、モルジブってどこにあるんだろうという人の為に、こちら。

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インドの先っぽの右(東)がスリランカ、左(西)がモルジブです! 

私の暮らすトリバンドラムから直行便で約1時間。日本にいる時は、モルジブなんて高いし遠いし、と思っていたけれど、ケララに暮らす今、この機会を逃す手はないと選んでみたというわけです。

 

とは言うものの、やっぱりモルジブ、1島1リゾートホテルの海上コテージは、びっくりするほど高い( ̄O ̄;)。金銭感覚がケララに馴染んでしまった私、そして現在無職の私には、『オーマイガッ』と言いたくなる価格。

ところが、日本のサイトを離れ海外のサイトで調べてみると、あらあらすごいたくさんの選択肢が。(後から調べると日本人のお勧めするお手頃旅行術もありました)

だてにモルジブが1200島の島々から成り立っているわけじゃないのね。いろんなバリエーションがあります。

 

がしかし、嬉しいと思った選択肢の多さに、いやはや時々面倒くさくなりながら・・・。(-。-;   

私達が選んだ島はMaafush島i(マーフシ)。首都Male(マーレ)から遠すぎず、3泊4日にはちょうどいい距離。ローカルの人々も暮らす居住区の島で手頃なホテルがいくつかあります。なんと言っても、モルジブのツアー価格の高さはホテルの宿泊費だけでなく、モルジブの空港に着いた後、そこからそれぞれのホテルのある島に行く交通費(小型飛行機やチャータ船)がバカにならないという理由があります。

 

予算を抑えて楽しみたい私達は、このMaafushi島から、日帰りでリゾートホテルのある島を訪ねよう!という計画。

 

これは、『モルジブに行ってみたい!でも、何十万もかけたくない。予算が限られている。』っていう人にはとてもお勧めのトラベルプランだと思います( ^ω^ )

 

首都Maleからローカルフェリーに乗って(2USドル)、Maafushiへ!

(ちなみにスピードボートだと20US ドル。プライベートでボートを頼むと100USドル以上かかります。)

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ほとんど、現地の人。その中に、ホテル等で働くインド人やスリランカ人、バングラディシュ人がいます。(見分けはつきません)

 

ちなみに、モルジブの国教はイスラム教。その為、ほとんどの女性が被り物をしています。

 

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Maafushi島に到着。

 

ホテルはこんな感じです。これで1泊70US ドル位。(7000円ちょっと)

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フェリー乗り場から徒歩1分。目の前だった。

 

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 お部屋はこんな感じ。うん、悪くない・・と思う。

 

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島を歩くと・・・

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その日は島を歩きながら、現地の旅行会社を訪ね、翌日の日帰りツアーを申し込みました。

私達は、Biyadhoo島のBiyadhoo island resort(ビヤドゥ アイランド リゾート)に決定。

8:00~17:00、島内で遊べて、ホテルのビュッフェランチ付きで1人78USドル、ランチなしで1人55USドル 。シュノーケリングのマスクとフィンも無料で貸し出し♪

 

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このアクティビティの申し込みは個別だったので、出発時間は私達の自由。

翌日、アヌーが朝早く起きれないから(。-_-。)、朝10時にこのボートでビヤドゥ島へ!

 

ボートのスピードにビビり、座席に座ってられず、足元に座り込むアヌー。

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良かったね、近場の島を選んで。約10分で島に到着〜。

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やっぱり、モルジブの魅力は、この海の色と白い砂浜ですね。

時々、短時間の雨に見舞われたものの、基本的にこの日は晴天!

 

3日目はあいにくの雨。

晴れ間を見つけて、マーフシ島のビーチで泳いだり、島内を散策したり。

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本当だったら、もう一度、シュノーケリング半日ツアーや現地のアクティビティを申し込みたかったけれど、雨はやんでも風が強くて断念。T^T

この天気でもシュノーケリングツアーに行く旅行者はたくさんいましたが、何せ旦那、アヌーがかなりの心配性。許可してくれるはずがない・・・。

ビーチで泳ぐ時も、私が溺れた時を想定してどうやって私を助けるかを練習したくらいだし(笑)

水深1メートルもない浅瀬で、気を失ってる役をする私と私を抱え背泳ぎやらで救助を試みるアヌー(-.-;)

 

まぁいっさ。

 

ホテルのマネージャーは、なんとアヌーと同じケララ出身のインド人!

一気に意気投合して、何度も抱き合う。

そして、チェックアウト時間を12時から17時までサービスしてくれた。(これはありがたい)

さらに、この彼に紹介されていったレストランのオーナーもタミル州出身のインド人。

ランチの後のデザートをサービスしてくれた。(優しいなぁ〜)

このレストランの主人は、20年以上マーフシ島でこのレストランを経営し、インドに暮らす娘2人を立派に育て上げた。一人は医者で一人はエンジニア。家族と離れて暮らしてお金を送り続けていたそう。

 

私達の止まったホテルは、ホテル所有者がモルジブ人。マネージャーがインド人、会計担当がスリランカ人、ホテルスタッフがバングラデシュ人。これが、モルジブのホテルの典型的なスタイルのように思えます。

(もちろん、もっとランクの高いホテルは、世界各地からスタッフを雇ってると思いますが・・)

 

食事について:

このホテルのレストランでは夕食を二人で約3000円位で食べられます。

現地のローカルレストランなら、その半分でもいけました。(ベジタリアンなので比較的安い)

島内のスーパーに行って、フルーツを買ってビーチで食べても美味しかったし。

 

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その日の夕方、今回は20 USドルでスピードボートに乗って、直接空港まで。

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お疲れ様でした〜。

 

今回のこの旅行、なんと私達5万円位しか払ってない!!

交通費は約5万円だったから、トータルで10万円というところでしょうか。

天気が良くて3日目のアクティビティを入れたとしても、約6万円。

 

モルジブに行くには数十万円かかると思って旅行の選択肢から外している方、海上コテージやエステ、贅沢なコース料理はなくてもいいのなら、こんな楽しみ方がありますよ〜。

 

 

 

 

 

日本帰国&インド帰国

ケララに来て9ヶ月ぶりに日本に一時帰国してきました。当初10日だった予定を2週間に伸ばしたものの、結局ドタバタとあっという間の日本滞在になってしまいました。

 

久しぶりの両親は、なんとなく私がいた頃よりも仲良く協力し合っているように見えて、特に父が柔らかく温和になっていて、これぞ熟年夫婦としみじみと心に想うことがありました。

そして、インドから持参した重量3キロはあるんじゃないかという私達の結婚式のアルバムを見せると母や祖母がその写真の大きさやクオリティの高さに驚き、嬉しそうに何度も見返している様子を見ると、改めて『あ〜結婚して良かった』と感じた次第です。

母には『もはや頭がついてりゃ誰でもいいから結婚して』と言われてたなぁ。

何とか、私の顔の半分しかないサイズの顔が体についている男子と結婚できた(笑)

・・・相手が外国人はちょっと想定外だったかもしれないけれど。

 

インドの同じ世代のおじさんおばさんからすると、うちの両親は異常にアクティブで、自転車をこぎ回し買い物に行くわ、ウォーキングはするわ、さらにゴルフとテニス。

しばらくインドの、のんびりしたライフスタイルを見慣れた私には、両親のそして、日本のおじさんおばさんの体力に驚いてしまったり。

 

日本にいた時には当たり前だったことが、今回の2週間でこの不自由のないシステムや慣習がとっても貴重だったことに気づかされ、新鮮でした。

その分、人と人が出来るだけ不快にならないように作られたシステムや暗黙のルールのおかげで、ちょっとしたことでイラッとした表情を見せる日本人の姿にも気づいてしまったりもしました。

 

「まっいっか〜」の許容範囲がどんどん狭くなっているのは、ちょっと悲しく、私の「まっいっか〜」の幅がおそらくどんどん広がっていることも、日本女性としてそれでいいのかどうかも、ちょっと不安でもあったりしたのです。

そもそもただでさえ、適当でだらしない性格だったので、最低限の身だしなみだけはキープしなくては。

これを書きながら、足の爪のマニキュアが剥げているのに気付き、「まっいっか〜」と思いたくなる私を必死に制しています。

 

日本の気遣い&清潔さでやっぱりすごいと思うことはいくつもあったけど、

空港の荷物受け渡し場のスーツケースの並べ方や、電車のホームでの並び方とか、トイレのキレイさは、絶対にいつかインドで参考にして欲しいなぁ。レベルが高すぎるかなぁ´д` ;

 

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これだったら、絶対に並びたくなるはず!

 

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この気遣いには気づくはずがない!( ; _ ; )/~~~

 

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これはもう住めるレベル!

 

さて、インドに行く前から気になっていた年金についても確認しに行ったら、現状の法律では、私が65歳になった時点で海外に暮らしていたとしても、年金を海外送金をしてくれるとのこと。日本に口座があればそこにも振り込み可能。

海外送金の場合、送金振り込み費用は年金機構の負担だけれども、現地通貨での受け取り等でその際にかかる手数料は受け取り側にかかってくるので、その手数料を考えたら、日本の口座に振り込んでもらう方がお得だそうです。

日本にいて仕事をしていたら「年金なんて大した額じゃない」と言ってしまいかねないのけれど、インドの生活で考えたら、大事な大事な価値ある金額。

インドでは、政府系の仕事、いわゆる公務員しか年金システムがなく、それ以外の仕事に従事している人はを受け取れないみたいなのです。もちろん、国の健康保険制度もないし。。。

法の下に人が正しく平等に扱われるべきっていう考え方が当たり前だった私には、すぐにこの不条理が蔓延している社会はしばらく馴染めそうになく、その被害に遭わないようにする為に、何よりも自分の安全と健康は自分で守ることが最低限なのだと、分かってきました。

 

日本滞在中は、大切な友人や会社の元同僚、そして何より家族の愛情を存分に受け、たくさんのエネルギーをチャージして、インドに出発!

本当に応援してくれているみんなに感謝。

 

そしてトリバンドラム空港に到着!空港の出口を出ると、迎えのインド人の人だかり(; ̄ェ ̄)人・人・人。

確かアヌーが半休を取って迎えに来てくれているはず・・・。

人ごみの後ろから、花束を持ったアヌーがやってきた。

「朝早く起きて、君の喜ぶ顔を想像しながら、野花を摘んで花束を作ったんだ。でも、着いたら花が取れてグチャグチャになっちゃった。本当は、出口でひざまづいて待ち伏せしようと思ったけど、人が多すぎて出来なかったよ」

お顔の小さな旦那さんは、こういう素敵なことができる人。

 

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日本もいいけど、インドもいいなぁと思えるのは、彼がこうやって毎日サポートしてくれるから。

 

それにしても、日差しが暑い・・・

 

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