クリシュナの結婚式 パート2(初めて、牛のう◎ちを触った日)
『クリシュナの結婚式』後半です。
寺院での結婚式を済ませ、家族親戚での会食が終わりました。『さて、無事終わった~。お役目お疲れ様』。家に帰ろう。
式の間、一切笑顔を見せない新婦を見て、クリシュナの今後の結婚生活を(勝手に)想像しながら浮かない顔をする旦那、アヌーをなだめながらタクシーで家に向かいました。
アヌー:「午後から仕事に行きたいけど、ちょっと家で休みたいな。クリシュナとも2人で話したいし・・・」
私:「・・・この晴れの日に・・・・余計なことを言うでないよ。」
家につながる小道に入った途端、なにやら人だかりが。
クリシュナの新婦が泊まっている家の前で、家族親戚がたむろしている。
タクシーを降りると、部屋の中で儀式が始まっていた。新郎の首からかけた布と、新婦のショールの端同士と結び付けて、食べ物を食べ合っている。
アヌーが写真を取りながら、「スマイル~♪」と言ってみる。
・・・・・だめだ。*1
こうなったら私もっ!と隣でヘラヘラしてみる。
・・・・だめだ~(--〆)
今度は、みんなでクリシュナの家に大移動。クリシュナと新婦はタクシーに乗り込む。
みんなが待ち構える家の入口に2人を乗せた車が停まると、また儀式が始まった。
同じヒンズー教でも地域が違うと儀式も、しきたりも全く違うみたい。北と南の違いではなく、各州、地域によっても様々だと言う。
さて、家族が歌いだしたとおもったら、なにやらお盆に色々載せて車の前にやってきた。葉っぱを火にかざして頬にこすりつけて、なにやら米や豆みたいなのを顔にふりまき(これライスシャワーの様な感じですね)、茶色と白いお団子状のものをつまんでは、車の反対側へ放り投げる。
私:「ねぇねぇ、あのお団子は何?」
アヌー:「・・・・・・」
私:「ねぇ、聞こえた?」
アヌー:「何でも知った方がいいことと、知らなくてもいいことがある」
私:「?????」
クリシュナの家族の女性全員がその儀式を終えた後、私が呼ばれた!
『あなたも祝福してちょうだいね』
歌も歌えないし、何やってたかちゃんと見てないけど・・とためらったが、全員が笑顔でうなずいている。この雰囲気、絶対壊せない・・やるしかないっ。
アヌーが何か家族に言っている。「白いのだけ、白いのだけ」
ようやく、2人の乗る車の近くに立って、お皿を眺めてアヌーが言いたいことが分かった。
お皿に乗っていたのは、牛のう◎ち団子だった!!(@_@;)
白いのは、お米で出来た団子らしい。
家族のみんなが歌ってくれる間、指示どおりに葉っぱを5回、ライスシャワーを各5回。
そして、そして、アヌーが白いのだけって言ってたけど、順番が茶色触ってからの白なので、よく見ると白いお団子もまんべんなく、茶色くなってるじゃん!
やるしかないっ!
本当は茶色団子をつかんで、しばらく車の上で歌いながら、腕を何回も回さないといけないんだけど、私は、「つまんで・かざして・ホイっ」。
でも、やった!やり遂げた!
アヌーがすかさずやってきて、
「これは、たぶん近所にいる例の子牛のう◎ちだから、フレッシュだから、フレッシュだから、大丈夫。」
となだめてくれた。
・・・・・フレッシュだから、何が大丈夫か分からない。
でも、インドでは牛は聖なるものだし、牛のう◎ちが肥料になったり、今でも家の補強に使われたり、他にも役に立っていることは知っている。だから、昔の人はこうして儀式の中に、取り入れているのだろう。
その後、2人はバナナの葉っぱの上を歩きながら、家の中に入って、それからまた儀式。
お姉さんが新郎新婦の足を洗ってあげて、壁に、例の茶色団子を押し付けて(また登場!?)、その上に貝を押し込んで、わらみたいなものをさらに刺す。
それから、また食べ物を食べ合う。
もう、同じ手で食べ物を触ったとか、この間手を洗ってないとか、そういう事は考えない事にします!
神聖な結婚式だから。
全ての儀式が終わって、ようやく1階の自宅へ戻る。
はぁ~本当に終わった。もう一回、丁寧に手を洗おう。
その夜、クリシュナが夕食のおすそ分けを持って来てくれた。
しばらく、アヌーと3人でおしゃべりした後、アヌーが言っちゃったよ。
「クリシュナ、彼女との結婚、考え直した方がいいんじゃない?今ならまだ間に合う!役所の手続きをしなければいいんだから!あの子、ずっと刑務所に入るみたいな表情だったよ。クリシュナっ」
アヌーの熱い、熱い言葉をクリシュナは、笑い飛ばした。
「大丈夫、緊張してるだけだって!これから、少しずつ彼女を理解していくって。僕はそれが楽しみだから、大丈夫。」
今までに1回しか会ったことがなく、そのお見合いの時も、今回の結婚式の時も、おなじ表情だったという彼女を受け入れようとするクリシュナ。
クリシュナって大きい。インド人ってすごい。
う◎ちぐらいで騒いだ私・・・ちっさい。
*1:+_+